日本の伝統食で、広い年齢層に好まれている高野豆腐ですが、その栄養については意外と知られていません。
ちょっと不思議な感じのする食べ物ではありますが、高野豆腐には、嬉しい栄養が一杯含まれていて、その効果・効能も凄いんですよ。
子供に必要な、アミノ酸も含まれているんです。
今回は、高野豆腐の栄養や効果・効能、カロリーについてご紹介します。
プルプルに戻す方法も参考にしてくださいね。
この記事の目次
高野豆腐の栄養成分と効果・効能
高野豆腐に含まれる主な栄養成分のうち、特に多く含まれている栄養は次の11です。
- タンパク質(アミノ酸)
- 大豆サポニン
- 大豆イソフラボン
- ビタミンE
- カルシウム
- マンガン
- 鉄
- マグネシウム
- 亜鉛
- ビタミンA
- 脂質
上記以外のミネラルや、食物繊維も含まれています。
タンパク質(アミノ酸)
高野豆腐には、タンパク質が100gに 49.4gも含まれていて、同じ100gの卵と比べると、約4倍の量になります。
高野豆腐1個(16.5g)とゆで卵1個に、同じくらいのタンパク質が含まれていることになります。
タンパク質の構成要素となるアミノ酸は、体内の新陳代謝を活発にし、 コラーゲンの合成には欠かせない成分でもあります。
高野豆腐のアミノ酸の中には、必須アミノ酸である、 イソロイシンやロイシン、トリプトファンなどが豊富に含まれているのですよ。
子供にとって必須アミノ酸である「 アルギニン」も含まれています。
大豆サポニン
大豆サポニンには、強い 抗酸化力があり、体内の脂質の酸化を抑え、代謝させる働きがあると言われています。血管にこびりついている脂質を除去したり、中性脂肪を減らす働きがあるとも言われています。
大豆サポニンには、肝機能障害を改善する効果、肥満防止効果、腸内環境を整えて便秘を解消する効果、美肌効果もある、と考えられていますので、毎日の食事にとり入れたい栄養素です。
大豆サポニンは、生の大豆よりも高野豆腐、豆乳、ゆば、油揚げなどの 大豆加工製品に多く含まれています。
大豆イソフラボン(100g中88.5mg)
大豆イソフラボンは、女性ホルモンである エストロゲンと似た働きをすると言われています。エストロゲンは骨の代謝に深くかかわり、不足するとカルシウムが排出され、骨粗しょう症を引き起こしやすくなります。更年期前後の女性にとって、大豆イソフラボンはありがたい栄養素だと言えます。
また、過剰な男性ホルモンが原因で起こる前立腺がんの予防にも、この大豆イソフラボンは有効に働くと言われています。
高野豆腐1個あたりに大豆イソフラボンは、約 14.6mg含まれています。
ビタミンE(100g中20mg)
ビタミンEには、脂質の酸化を防ぎ、細胞が老化するのを防ぐ効果がありますので、高血圧や動脈硬化などの病気を予防し、 肌の色つやもよくする効果があると言われています。
また、末梢血管を広げて血行を促進し、 自律神経を整える効果もありますので、冷え性や肩こり、腰痛などが改善される、と考えられています。
高野豆腐1個あたりでは、 0.3mgのビタミンEが含まれていて、これは いちごの5粒分と同じ量です。
カルシウム(100g中660mg)
カルシウムは骨や歯を作り、体液をアルカリ性に保つ働きがあります。精神を穏やかに保つ働きもありますので、カルシウムが不足してくると、イライラしてくる、なんて言いますよね。
60歳を過ぎたら、カルシウムの吸収率が低下すると言われています。
高野豆腐1個あたりで、ひじき7.8g、ヨーグルト約90g分と同じ 109mgのカルシウムが含まれています。
マンガン(100g中4.5mg)
マンガンも 骨の形成に必要なミネラルなのです。そのほかに糖質、脂質、タンパク質の代謝に働く酵素の構成成分でもあります。
活性酸素を分解する SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)酵素の構成成分でもあり、細胞膜の酸化を防ぐ作用があります。
鉄(100g中6.8mg)
鉄は、赤血球の成分となって、全身の細胞や組織に、酸素を運ぶ働きがあります。鉄分は、不足しやすい栄養素で、不足すると貧血やめまい、だるさ、動悸、食欲不振、頭痛などを引き起こすと言われています。
高野豆腐1個あたりに、 1.1mgの鉄が含まれていて、しらすの183g、レバーの約30gと同じ量の鉄が含まれていることになります。
マグネシウム(100g中120mg)
マグネシウムは、骨の中にあってしなやかで弾力のある骨にする働きがあったり、血圧を正常にしたり、体温の調整にも関わっているミネラルです。
マグネシウムの不足が長く続くと、不整脈や動脈硬化、血圧上昇など、 心疾患のリスクが高くなる、と言われています。
亜鉛(100g中5.2mg)
亜鉛は、細胞の生まれ変わりを助ける働きがあります。女性ホルモンの分泌を活性化したり、精子の形成にも必要な成分なのです。
高野豆腐1個あたりに、 0.9mg含まれ、それはアサリの9つ分と同じ量になります。
ビタミンK(100g中57μg)
「止血のビタミン」とも言われるビタミンKには、 出血を止める働きがあります。
ビタミンKはまた、たんぱく質を活性化し、カルシウムが骨に沈着するのを助ける効果もあると言われています。。
脂質(100g中33.2g)
高野豆腐に含まれる脂質は、8割が不飽和脂肪酸で、中性脂肪やコレステロールを減らす働きがあります。
そのほか、高野豆腐に含まれる栄養成分
そのほかにも次のような栄養素はが含まれています。
カリウム(100g中30mg)
カリウムは、血圧を下げて、筋肉や心臓の機能を正常に保つ働きがあります。
リン(100g中880mg)
リンは、骨や歯の原料で、糖質をエネルギーに変える働きがあります。
食物繊維(100g中1.8g)
食物繊維は、腸の働きを活発にし、便秘解消に役立ちます。
高野豆腐のカロリーは?
気になるカロリーですが、高野豆腐1個(16.5g)あたりで、85kcalです。
2個では、170kcalになりますね。ご飯と比べてみましょう。
ご飯、1膳分140gの カロリーは235kcalです。
高野豆腐をダイエット食として用いる人が多いのは、栄養が豊富なだけじゃなく、比較的低いカロリーにも理由があるのですね。
高野豆腐がプルプルになるもどし方
高野豆腐のもどし方は、通常「40℃~50℃のお湯につける」とパッケージには書いてありますよね。
ですが、じつは熱湯でも戻せて、しかもやわらかく大きく、プルプルに戻すことができるのですよ。
お箸でつついたりしなければ、ボロボロになったりはしないでしょう。
実際、高野豆腐は沸騰した煮汁にそのまま入れることもできるもので、パッケージにもそのように記載されていたりします。
ただ、そのまま入れると、大きいままの高野豆腐ですので、調理の仕方を工夫して、煮込みハンバーグ風に使うのがいいかもしれませんね。
高野豆腐は、戻す前に切ることもできますが、切った面が少しざらついた感じにはなります。
熱湯で戻す場合は、やけどには充分注意してくださいね。
栄養満点の高野豆腐を離乳食に!
高野豆腐は栄養が豊富ですし、子供にとって必須アミノ酸である「 アルギニン」が含まれていますので、子供にも食べさせたい食品ですよね。
高野豆腐は「硬いまますれる」という便利な使い方もできますので、離乳食としても重宝します。
また、先ほどもご紹介しましたが、熱湯で戻すと本当にやわらかくなりますので、月齢に合わせて、戻してからも充分に使えますよ。
高野豆腐をお肉の変わりに使う
薄めに切って味付けした高野豆腐は、お肉の代わりとしてお料理に使うこともできます。
たとえば、牛丼や肉うどんのお肉の代わりに使ったり、チャーシューのかわりにラーメンに入れたり、すき焼きの具にしてもいいですよ。
硬い時にすりおろして、ハンバーグに混ぜてもいいですよね。とってもヘルシーな食事になりますね。
高野豆腐はなぜ栄養豊富なの?
高野豆腐の栄養が豊富なのには、その製造方法に理由があります。
高野豆腐は、別名「凍り(こおり)豆腐」と言われている通り、少し固めの木綿豆腐を凍結させ、低温熟成させた後に乾燥させて作ります。
つまり、栄養分がギュッと凝縮されて入っている、というわけなのです。
まとめ
いかがでしたか。
高野豆腐は、さすが日本の伝統食って感じですよね。カロリーは少なめで、栄養が豊富です。
しかも、コラーゲンのもととなるアミノ酸が入っているのですから、お肌にもよくって、とっても嬉しいですよね。
食感がちょっと苦手、という方は、やけどに気をつけて熱湯戻しを試してみてはいかがですか。
高野豆腐がくせになるかもしれませんよ。
高野豆腐は、その昔、高野山でお坊さんたちの手によって作られていた、という説があるのですよ(^^)